弾性繊維とは、その名の通り、皮膚の弾力性を担っている線維のことです。コラーゲン線維は「皮膚の張力」として皮膚内部の膨張や伸展に抵抗して一定以上の変形を許さないように作用しています。これに対して弾性繊維は「皮膚の収縮力」、すなわち皮膚に生じた変形を元に戻すための力として作用しています。
弾性繊維の直径は1〜3μmで、コラーゲン線維同様、皮膚の深部へいくほど太くなります。光学顕微鏡における通常の染色(HE染色)では、コラーゲン線維と染色性が同じで区別できないため、様々な染色法を用いてその存在を明らかにする必要があります。また電子顕微鏡では「コラーゲン線維のような横縞模様が認められない」という点で区別されます。