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製剤の種類と歴史

製剤の種類とその歴史

現在日本で主に使用されているコラーゲン注入製剤には「牛由来」と「ヒト由来」の2種類があります。

牛由来製剤として、1986年9月に(株)高研の「アテロコラーゲン」厚生労働省(旧厚生省)より認可を受けています。そして1987年11月にアラガン社(旧:イナメッド社)(アメリカ)のZYDERM(ザイダーム)が、1991年1月にZYPLAST(ザイプラスト)が同省より認可を受けています

クロスリンク型製剤はコラーゲン分子が架橋(かきょう)され大きな分子構造となっているため、非クロスリンク型製剤と比べ皮膚を隆起させる力が強い製剤となっています。同様に、製剤の濃度が高いものほど皮膚を隆起させる力が強くなる傾向があります。

<牛由来コラーゲン注入製剤のラインナップ>
(株)高研「アテロコラーゲン」
・アテロコラーゲン1%(コラーゲン濃度10mg/ml 非クロスリンク型)
・アテロコラーゲン2%(コラーゲン濃度20mg/ml 非クロスリンク型)
・アテロコラーゲン3%(コラーゲン濃度30mg/ml 非クロスリンク型)

アラガン社(アメリカ) 「ZYDERM(ザイダーム)」および「ZYPLAST(ザイプラスト)」
・ ZYDERM I(コラーゲン濃度35mg/ml 非クロスリンク型)
・ ZYDERM II(コラーゲン濃度65mg/ml 非クロスリンク型)
・ ZYPLAST(コラーゲン濃度35mg/ml クロスリンク型)


牛由来コラーゲンはこれまでに最も多く使用されてきた注入製剤です。1977年から臨床応用され、現在では世界各国で主にシワ治療に用いられています。

牛由来コラーゲン注入製剤はこれまでに25年以上の治療実績がありながら特に大きな副作用もないため、安全性の高い治療方法であることが広く認知されています。

また、原材料が豊富なため安定供給が可能であり、コストも抑えられ、なおかつ満足のゆく効果が得られます。

治療の大きな問題点

しかしながら、実際の治療に際しては大きな問題点があります。それは異種動物である牛コラーゲンに対する「アレルギー反応」です。

このアレルギー反応は約3%の人に起こります。従って、牛由来コラーゲン注入製剤で治療を受ける前には、必ず「皮内テスト」を受け、その結果を4週間観察し続けなくてはならないのです。

これは治療上大きな壁となります。何しろ、治療を受けたくても4週間待たなくてはならないのですから(ちなみに皮内テストにて「疑陽性(ぎようせい)」がでた場合は、更にもう4週間かけて再検査となります)。

難問の解決策!

この問題を解決するために開発されたのが「ヒト由来コラーゲン注入製剤」です。これは培養されたヒト線維芽細胞(せんいがさいぼう)が作り出すコラーゲンを精製したものです。

最大のメリットは、アレルギー反応の心配がないので「4週間の皮内テスト」をする必要が無く、すぐに治療を受けられる点です。

「ヒト由来コラーゲン注入製剤」は厚生労働省の認可をまだ受けてはいませんが、2004年4月にFDA(米国食品衛生局:日本の厚生労働省にあたる機関)より認可を受けました。(厚生労働省の認可が下りていない薬剤を使用する場合には薬監証明を提出し、医師の責任の元、個人輸入によってそれら薬剤を取り寄せます→詳細は「医師の個人輸入と薬監証明」)

<ヒト由来コラーゲン注入製剤のラインナップ>
アラガン社(アメリカ) 「COSMODERM(コスモダーム)」および「COSMOPLAST(コスモプラスト)」
・ COSMODERM(コラーゲン濃度35mg/ml 非クロスリンク型)
・ COSMODERM II(コラーゲン濃度65mg/ml 非クロスリンク型)
・ COSMOPLAST(コラーゲン濃度35mg/ml クロスリンク型)

コラーゲン注入製剤の選択はシワの深さやその他の要因を加味して医師が決定しますが、参考までに使い分けを解説します。

皮膚が「薄く」、シワの深さが「浅い」場合

アテロコラーゲン1%、アテロコラーゲン2%、ZYDERM I、COSMODERM

皮膚が「厚く」、シワの深さが「深い」場合

アテロコラーゲン2%、アテロコラーゲン3%、ZYDERM II、ZYPLAST、COSMODERM II、COSMOPLAST

>> 次の記事:コラーゲンの精製法 を読む

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