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ヒアルロン酸の精製法

ヒアルロン酸の精製法

従来より、ヒアルロン酸は動物組織より抽出されてきました。

Hylaformシリーズは鶏冠(とさか)より抽出、精製しています。これに対しRestylaneシリーズは「非動物性ヒアルロン酸(NASHA:non-animal, stabilized hyaluronic acid)」であり、ストレプトコッカス(Streptococcus)属を利用した「細菌発酵(さいきんはっこう)」によってヒアルロン酸を抽出、精製しています。

近年、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザの流行によって非動物性の医薬品、化粧品が注目されています。

この点においてRestylaneシリーズは時代の流れにマッチしたものであり、この製品解説書にも「非動物性ヒアルロン酸は美容目的に動物を供することへの倫理的問題をクリアしていることに加えて、動物種間の感染症リスクもありません。また牛肉や鶏肉、卵などの一般食品の過敏症患者にアレルギー反応を起こすリスクもありません」と記載されています。

確かに、Hylaformシリーズの添付文書には「この製品はニワトリ由来成分で製造されており、ニワトリの蛋白質を極めて微量に含有しているため、ニワトリ由来物質にアレルギーを示す患者には使用しないこと」とあります。

しかしRestylaneシリーズであっても、その添付文書には「この製品にはグラム陽性菌(ストレプトコッカス)由来の蛋白質がごく微量含まれており、これらの物質に対するアレルギーの既往のある患者には禁忌(きんき)である」と記載されており、非動物性ヒアルロン酸であるからといって全く問題がないという訳ではありません。

また、HylaformはRestylaneに比べ粒子が大きく、化学的評価試験の流動学的性質評価においてHylaformの方が粘性が高い(注入剤として使用した際に、皮膚の陥凹を改善しやすい)という報告もあります。

このように様々な要因を考えた場合、両者とも特色のある優れた製品である、と私は考えています。

注入効果を延ばす「クロスリンク」

ヒアルロン酸は元々、眼科手術補助剤や変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)などの関節注入剤として利用されてきました。

しかしこのように使われてきたヒアルロン酸は、生体内にあるヒアルロニダーゼなどの酵素によって短期間のうちに分解されてしまいます。

このような理由から、長期間にわたって皮膚内部でシワ治療剤として作用し続けるためには、ヒアルロン酸を化学的に修飾し分解されにくくする必要があります。

その方法として行われているのがヒアルロン酸の「クロスリンク(架橋)」です。

クロスリンクとはヒアルロン酸の分子同士が化学的なブリッジを形成する(架橋)ことによって、大きな単一の分子を形成することを意味します。クロスリンクしたヒアルロン酸は、していないそれと比べると、徐々に分解されるものの吸収速度が遅くなります。

その結果、皮膚内部に長期間とどまり続け、皮膚のボリュームアップ効果を持続できるようになります。

Restylaneシリーズ、Hylaformシリーズともに「クロスリンク型ヒアルロン酸」であり、シワ治療の注入製剤として適した製品となっています。

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